幸せの寄り道




HRの時間になり他の生徒が教室に入ったのを確認して校長室を出た。




「夏川、辛かったら先生にいえよ?」


「澤田先生ありがとうございます。でも大丈夫ですよ、私一人じゃないですから。」


「え?」


「昨日、数人の友達からメールが来たんです。まだ一緒にいることはできないけど私のこと心配してくれる友達がいたらそれでいいです。」


「そうか。夏川のこと信じてくれてよかったな。」


「はい♪」



澤田先生はいつも優しくしてくれてほんとに嬉しかった



「無理はするなよ。いいか?」


教室の前で優しく聞いてきた先生に大丈夫とOKのサインをだした。




---ガラ





「今からHRを始める。その前に夏川が今日から復帰する。夏川入れ。」


そう言ってこちらにむかって手招きをした


「はい。」


私が教室に入ると嫌な顔をする人や笑う人やそっぽを向く人など様々だった


「夏川から話があるそうだから聞いてくれ。」


先生がそういうとみんながこちらを見た


「えっと、こんな騒ぎを起こしてしまい申し訳ありませんでした。もう他の先生から聞いたかもしれませんが付き合ったりはしてませんが放課後会ったりしていたのは事実です。他にも気になることがあれば答えます。もし、私と話したくない人は話さなくてもいいです。嫌がらせをしてもいいです。ただ、河野先生とは今まで通り接してください。」


私は頭を下げて必死にそう伝えた


先生には悲しい思いしてほしくない



「夏川?もういいぞ。頭をあげなさい。」


澤田先生の優しい声が聞こえて少し視界がゆがむ


でも今は泣けないから……



そう思い勢いよく頭をあげた







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