幸せの寄り道




席替えは最初に私と沙耶を決めて後はくじ引きになった




私は廊下側の一番前で
私の隣にはいつも楽しそうに人と話すムードメーカー的存在の小林君で
後ろは幸奈になった
ななめ後ろは小林君と仲のいい内田君だった


「夏川さん!!隣よろしくね♪」


「うん。」


「なんか冷たいね~。」


「お前が嫌われてるんだよ!!」


「内田、それ言っちゃう?」


二人は楽しそうに話し始めた


「陽向ちゃん…。」


後ろから小さな声で呼びかけられた


「幸奈ごめんね、迷惑掛けて。」


「ううん。迷惑じゃないよ。こっちこそごめんね。」


「なんで謝るん?なにもしてないじゃん(笑)」


「なにもできなかったから…。」


「謝る必要ないよ。もう大丈夫だから。」


そう言って前を向いた



「ちょいちょいちょい!!心配してくれてる友達にも冷たくない!?」


小林君がこっちにむかって言ってきた


「え、そんなつもりはなかったけど…。」


「もとからのクールちゃん?」


「クールちゃん??」


「まあ、ありがとうぐらいは言っといたら?」


内田君にそう言われてハッとした


「ごめんね。せっかく心配してくれたのにお礼も言わなくて…」


「え、いいよ?」


「ううん。ありがとう」


私は自然と笑えた



幸奈は変わってない


本当に心配してくれてる



「あ~!!夏川さん笑った☆」


「松井さんグッジョブ!!」


小林君と内田君は笑いながらこっちをみていた








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