幸せの寄り道





「聡太君!?」


急いでこちらに来たのか少し肩で息をしているようだった



「なんだよ、雪村待ちみたいだから近くのベンチに連れて行こうとしただけじゃん。」


「そんなこと俺がやりますんで練習に戻ってください。」


「…聡太君?私大丈夫だから…。」


聡太君は部員の人と私の間に立ってとても恐い顔をしていた


「なんだよ。」


「いいかっこしちゃって」


そう言って部員の人たちが帰ると私のほうを向いた


「お前、危ないとか思わないわけ?」


「え?」


「今普通について行きそうだったじゃんか。」


「え、だって遠くで待ってるより近くのほうがいいかと思って…」


「そうだとしても相手は男数人だぞ?」


「なんで怒ってんの?」


「うるさい。」


「もぅ」


「ついて来い。」


私が不貞腐れていると優しく手をひかれた


そのままついて行くとさっき聡太君が練習していた場所に着いた



「そこに居ろ、俺の鞄に座っていいから。」


「えっ!?いいよそんなの、地面に座るから!!」


「え、まじで?」


「だって、今日のハンカチお気に入りだし…。」


私がハンカチを見ながらそう呟いていると聡太君が私の両肩を持ちそのまま鞄の上に座らせた


「ほらもう一回座ったんだから気にすんなよ。」


「ねぇ聡太君。慣れてないって言いながらこれって…。天然だったらタチ悪いよ。」


「は?」


それから私はただ見ているのが暇なので汗がすごい時には鞄に入っているタオルとスポーツドリンクを持って行った



「お前マネージャーとかしたことあんの?」


「ないよ、なんで?」


「いや、タイミングいいから。」


「そう?ありがとう♪」


「褒めてはないけど?」


「けち。」


そんな感じで部活に差し支えないようにも少しずついろいろな会話をした





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