幸せの寄り道




「教師と…。」


話し終えると聡太君はそう呟いて黙ってしまった



「聡太君。」


「陽向、1度俺もその人に会いたい。」


「ごめん、卒業するまではきっと私と先生は関わること出来ない…」


「そっか。」


「一応私の友達にも聞いてみるよ、何か方法があるかどうか。」


「悪い、迷惑掛けるつもりなかったんだけど…」


聡太君は俯いた


私はなにを言えばいいのかわからなくてただ見つめることしかできなかった



その日は聡太君もすぐ家に帰り後日また連絡することにした






「ねぇ、パーティーで生徒に紛れ込むってのはどう?」


そう提案したのは美咲だった


「会場の入り口なんていっぱいあるんだからこっそり入れてもばれないよ!!」


幸奈もそう言ってその提案に乗った


「でも…。」


「俺らも協力するぜ?」


「できる限りのことはするよ。」


悩んでいる私に小林君と内田君がそう言うと美咲と幸奈も頷いた


「ありがとう。じゃあお願いします。」



聡太君の気持ちに応えられないからせめて先生に会わせてあげることぐらいはしてあげたい


それに、聡太君にも見てほしかった、私の好きな人を





私の言葉を聞いたみんなは「やるぞ!!」と張り切っていた




私は本当に恵まれていると思う


こんなにも私のためにと頑張ってくれる友達ができて嬉しい






これも先生を好きになったおかげなのかな?








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