幸せの寄り道
「キャー!!陽向ちゃんかわいい~♪」
今日はドレスを買いに母と早苗さんと聡太君と4人でお買い物することになった
そこで早苗さんはいつものように何着もよさそうなのをかき集めて差し出してきた
聡太君の試合を見に行った日からなにも気にしてないように振る舞っているけど、正直気まずい…
私はあまり顔を見れずにいるけど聡太君はそんな素振りもなく普段と変わらないでいる
私だけが意識しているのかもしれないけれどあんなに面と向かって言われたの弘樹君以来だ
しかも聡太君はどこか大人っぽくてドキッとさせられる時もある
そんなことを考えている私が先生に申し訳なくなり1人で落ち込んでいると、やっぱり大人なというか紳士な対応な聡太君はそっと頭を撫でてくれる
もし先生より先に聡太君に会っていたら聡太君のことを好きになっていたのだろうか?
早苗さんに渡されたドレスに着替えながらも私はどれも可愛いのだけれどやっぱり考え事のほうに気が行ってしまい結局なかなか決まらないでいた
「陽向、これ着てよ。」
そう言って聡太君が差し出したのは薄い水色のグラデーションの入った膝丈ぐらいのドレスだった
「聡太、それ可愛いわね!!」
「あら聡太君ってセンスいいのね♪」
聡太君の選んだドレスを母と早苗さんは気に入ったようで2人でそれに会わせる靴などを探しに行った
私はその間に着替えて2人の帰りを待った
「ねぇ、聡太君。」
「なに?」
「なんで水色選んだの?」
「陽向だから。」
「私だから?」
「陽向って日向って感じでもあるから暖色系で淡いオレンジとか黄色かとも思ったけど、それよりももっと広くて誰でも好きになるような空の色がいいと思って。」
「空の色?」
「陽向も好きでしょ?暑くもなく寒くもない気持ちいいときの空。」
「そうだね、好きだね。気持ちいいときの空。」
そう言って笑い合っていると2人が戻ってきて靴を差し出してきた
「これもう買っちゃった♪そのドレスに決定しましょ!!」
そう言って私の前におかれたのは一見シルバーに見えるけど少し淡い水色が入っているドレスに合わせた靴だった
「これね、そのドレスに合うと思ってね、2人でもうこれしかないって!!(笑)」
そう楽しそうに笑いあいながら盛り上がっていた