幸せの寄り道



~和樹~



3年生にとっては卒業前最後の学校


ドレスアップをした生徒と先生がパーティーで盛り上がるという行事らしいが、今回は理事長の奥さんのデザインしたドレスのお披露目ショーもやるらしい



俺が会場へと入ると会場が暗くなった



「先生、ちょっとついて来て!!」



そう言って誰かが俺の手を引くと明るいところへ引き込まれた



「先生、大丈夫?」


そう言われてゆっくり目を開けるとそこには小林と内田ともう一人知らない奴がいた



「んあ、何してんだよ。ってかそれ誰?」


「あぁ、この人は…」


「雪村聡太です。陽向とは家族ぐるみで仲良くさせてもらってます。」


「夏川と?」


「んで、陽向を先生から奪おうとしているナイトです(笑)」


「おい隼人変なこと言うな。」


小林がそう言うと雪村という男は少し声を落としてそう言った



「つまり、ライバルってわけ?」


「まあそういうことですが、今日はあなたを見に来ただけですから。」


そう言って少しにらみを利かせてきた



「それより本題に入りますよ。」


内田がそう言うと小林が俺の手を引いて奥へ進んで行った



そこにあったのは白いタキシードだった



「なにこれ?」


「これを着て今日のショーのトリを飾ってください。とのことです。」


内田は静かにそう言ってきた



「なんで俺が。」


「このショーの主催者の要望です。」


「主催者が?」


「はい。」


「で、なんでお前らがそれを俺に伝えるんだ?」


「主催者の人は女性役の人のほうに行ってるのでその手伝いをして欲しいとのことです。」


内田は淡々と事情を説明して他の2人はそばの椅子に腰かけていた











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