幸せの寄り道
「で、主催者と俺はいつ会えるんだ?」
「あっちが終わったらすぐ来るそうですよ。」
「その間に着替えてください。」
そう生徒に言われて納得できる大人は居るのだろうか…
俺はそう思いながらタキシードを見ていた
「まだ着替えてないのかい?」
奥から聞き覚えのある声が聞こえてきた
「向こうはもう準備を始めたよ?」
そう言って現れたのはおばあさんだった
「……あなたがなぜここに?」
「なにを今さら。私がこのショーの主催者だよ。」
「えっ…。」
驚きのあまり言葉が出なかった
「さぁ、あんたを選んだ理由がわかっただろ?知り合いだからだよ。」
「ですが…。」
「早く着替えてくれ。ショーはもうすぐ始まるんだ。」
そう言って返事も聞かずスタッフの人とどこかへ行ってしまった
「ほら先生。着替えて、着替えて。」
小林がタキシードを持って奥にあるカーテンの中に押し込まれた
そこは着替えるところらしく他のモデルの人もいた
俺は渋々着替え始めるとモデルの1人に声をかけられた
「ここの教師なんだってな。澤村さんがどうしても最後はあんたじゃなきゃいけないって、俺はそれ着られなかったんだよなぁ(笑)」
そう言ってメイクの人に呼ばれて鏡のほうへ行ってしまった
そんなに着たいと思う人がいるのになんで俺が…
着替え終わると俺もメイクをすると鏡の前に連れて行かれた