幸せの寄り道




全てが終わりさっきの場所に戻ると3人がステージのほうを見ていた



「なにしてんだ?」


「おっ、終わったんだ!!」


「いいねぇ♪」


「………。」



小林と内田は俺を見て笑っていたけどやはりもう一人は何も言わず睨んできた



「もう、聡太。なにそんなに敵意むき出しなわけ?」


小林はそう言って雪村に飛びついた


「しょうがねぇだろ。陽向はこいつのことで傷ついたんだ。そう簡単に許せねーよ。」


「そいつの言うとおりだ。俺だって自分が許せない。だけど、その分これからは幸せにするんだ。」



雪村がどれほど陽向を大事に思っているのかが伝わってきた



だから俺自身も自分が許せなかった



この2人が付き合えば何もかも問題なく幸せになれるだろうけど、俺はそうさせたくない



本当に夏川のことを考えたら俺が身を引くべきなのかもしれないけど



そんなにかっこいい大人にはなれない



「あ、そろそろ始まるんじゃない?」


小林がそう言うとステージのほうにモデルが集まりだした




「河野さん、どうだい着心地は?」


「あぁ、おばあさん。しっくりきてますよ。」


「だろうね、あんたのイメージで作ったからねぇ。」


「…え?」


「あんたに会ったときにデザインが浮かんだってだけだ。」


「はぁ…。」


「じゃああとはスタッフに聞いてその通りステージに出てくれ。ステージにでたらショーっぽくしてくれればいいから。」


そう言っておばあさんはまたどこかへ行ってしまった











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