幸せの寄り道




「ではこれからの説明をしますね。」


「あ、はい。」


「このモデルの人たちが全て帰ってきて最後の人が完全にはけたら曲が変わり暗くなるんでその時にステージの中央にある蛍光テープに合わせて立ってください。向きはそのまま向こうを向いててください。前には向こうから女性が来るので、明るくなったら澤村さんがおっしゃったようにショーっぽくしてくれればいいので。」


「ショーっぽくって…。」


「多分思い通りに動いていいと思いますよ。澤村さんがそんなてきとうな指示しかしなかったのは思い通り動いてほしいということだと思うんですけどね。」


「そうですか。」


「そろそろ出番です。」


そう言われてステージを見ると最後のモデルが帰って来ていた






そのモデルはさっき話しかけてきたモデルだった



「トリ頑張れよ!!」


すれ違う時にそう言って肩を軽く叩きながら奥へ行った






曲が変わりステージが暗くなった


「じゃあお願いします。」





スタッフにそう言われてステージへと向かい目印に辿り着くと前から服がこすれる音がして目の前に誰かが来たのがわかった







暗くて誰かはわからないけどどうやら緊張しているようだった



俺も少しずつ緊張してきた






しばらくするとゆっくりと明かりが照らされてきた










そして、目の前には夏川がいた……






















~和樹・終~







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