幸せの寄り道


「陽向ちゃん、よかったねぇ。」


「おばあちゃんなんで私たちを?」


「私の旦那に聞いたんだよ陽向ちゃんと河野先生のことを。最初は2人がまさかこの学校に居るとは思わなくて驚いたよ。それで最後の日までお互いを想い続けているようなら、みんなの前で祝福してあげたいと思ってね。あの人もお金を出してくれているのは君なんだから好きにしていいって言うもんだから(笑)」


おばあちゃんはおかしそうにそう言うと私と先生の手をとりステージへと向かった



ステージに立つとまたフラッシュがたくさんたかれた



「今日はショーにお付き合いいただきありがとうございました。ここに居る2人が着ているドレスはこの2人に合わせてデザインしたドレスなので、無事2人に着てもらえてよかったと思います。」


マイクに向かいそう言うと私たちを交互に見て笑っていた




「この2人を知ったのは彼女が海岸で1人静かに泣いていた時でした。彼女はどうしようもない気持ちをこの小さな身体に抑え込みながら耐えてきたのでしょう。彼と会ったのもその海岸でした。彼は彼女の撮った写真を手掛かりに海へ来た。そして彼もまたどうしようもない気持ちを抑え込んでいたのです。そんな2人の愛を応援する意味でこのドレスを作りました。」





おばあちゃんが淡々と話す言葉に耳を傾ける人、
それを録音して記事にしようとしている記者の人、
記事の写真を撮っているカメラマン、
生中継をしているテレビ局の人、
ただ茫然と眺めている人、
たくさんの人がこちらを見ている中
私たちはお互いを想いあった……。






私が先生を見ると先生もこちらを見た



「……やっと会えたね。」



小さな声でそう言うと先生は優しく笑いながら頷いた






そしてショーも終わり私が着替えようとするとおばあちゃんがパーティー中はそれでいるようにと言ってきたので私と先生はそれに従った



「陽向~!!写真撮ろっ♪」



美咲が走って私たちのところに来るとそのあとから沙耶も含めたメンバーが来た



「いいよ、誰かにお願いしよっか。」


そう言うとそばに居たカメラマンさんが撮ってあげると言って本格的に撮ってもらうことになった



私と先生を中心にみんなが集まりそこにおばあちゃんも加わって写真を撮った



「あの、わざわざありがとうございます。」



「いいよ、いい記事ができそうだしそのお礼だよ。」



そう言ってカメラマンさんはおばあちゃんに写真のことを相談していてみんなの枚数分をおばあちゃんのところに送ることになったそうだ










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