幸せの寄り道




「これ、私からのお祝いだ。」



そう言って渡されたのは新聞に載った写真とパーティーの時の写真をファイルしたアルバムだった



「これどうしたんですか?」


「朝新聞見て電話してみたらアルバムにしてくれるって言うからそうしてもらって今届いたんだ。」


「わざわざありがとうございます。」



先生が澤田先生にお礼を言うと澤田先生は笑っていた



「よかったな、夏川。」


「え?」


「3年の始めの頃みたいに3人で仲良くできて。まぁその他大勢も居るけど…(笑)」


「ほんとよかったです。」



それから澤田先生は用事があるからと戻って行き


私たちも一通り盛り上がるともう夕方になっていたので解散ということになった



そして後日、先生はうちに来て父と母と話をした



そのあと私の部屋で聡太君とも話をした



どうやら父は私のことが嫌いではなくてただどうしていいのかわからなかっただけみたいで、先生が話しに来た時は心配でどうしようもなかったみたいだけど、話してみたら案外といった感じで先生を気に入ったようだった




その日は晩ご飯を夏川家、雪村家、先生の大勢で食べることになり父はお酒の相手ができたと喜んでいた




「陽向~!!和樹くんにならお前を嫁にやってもいいぞ~(笑)」


「こら!!そんなこと和樹さんの前で言わないで!!」


酔っ払った父に私が怒鳴るとみんなが笑い母が恥ずかしそうにしていた




先生はそう言われたのが嬉しかったのかとてもニコニコしていた




そして聡太君はそれを見てちょっかいを出しに先生に絡んで行った




どうやら聡太君も先生が気に入ったみたいだった




「陽向ちゃん。」


「どうしたんですか?」


「よかったね、お父さんに認められて。」


「はい。」


私が嬉しそうに笑うと早苗さんが抱きしめてきた



「陽向ちゃんが幸せなのはいいけど聡太が男泣きするところは見たくないわ~!!」


と言ってはいるものの顔はすっごい笑顔だった







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