幸せの寄り道



放課後になりみんなが帰り始めた



「陽向ちゃん帰ろ~!?」



幸奈が準備を終えて駆け寄ってきた



「ごめん、今日先に帰ってもらえる?」


私が手をあわせて首を傾けた



「陽向先輩!!」


「あ、中島くんと帰るんか!!いいよ、いいよ♪」




弘樹くんの声を聞いた幸奈は納得したように笑った



「実は、河野先生に呼ばれてるの。だから沙耶には言えなくて…」


私は幸奈にだけ聞こえるようにそう伝えると幸奈はニコッとした


「じゃあ上手く誤魔化しとくね♪」



「ありがとう♪」


幸奈は任せてと微笑みながら頷いた



「じゃあ弘樹くんのところ行くね!!」



私はそう言って幸奈と別れて弘樹くんのそばまで走った



「弘樹くん、どしたん?」



「一緒に帰ろうかと思って♪」



きっと他の女の子が言われたら『うん!!』って即答何だろうなぁ……



「ごめんね、これから行くとこあるんだ」



「河野先生のとこ…?」



一気に空気が変わった気がした



「よく、わかったね。」


「行かなくていいじゃん」


「えっ!?」


「いいじゃん、帰ろう?」



弘樹くんが私の両腕を掴んだ


「弘樹くん落ち着いてよ!!」



周りにいた人たちが私たちの異変に気づいて集まってきた


「なんで、俺じゃないわけ?」


「弘樹くん、お願いだから聞いて!!」


弘樹くんの腕に手をかけて目を見ながら訴えることで精一杯だった



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