幸せの寄り道
「あぁ!!そういえばノート、まだでしたよね?」
私はやっぱ演技下手だわ、
大袈裟になってしまった…
「先輩たち無理しなくていいですよ。今日、2人で帰るんでしょ?」
彼女のすこし呆れた顔はなんだかさっきとは全然違う気がした
少し穏やかな感じ
「なんで?」
先生も演技下手だよね…
もうバレバレ(笑)
「ふたりとも演技ダメですね!!もっと上手くないとやっていけませんよ?」
彼女は可笑しそうに笑いながら私たちをみていた
「なんでわかったん?」
「だってさっき下駄箱で見てましたもん!!」
「えっ!!」
私と先生はびっくりしたけどちょっとホッとして顔を見合わせた
「中島くんが遊びじゃないってほんとみたいですね♪」
笑ってそう言う彼女の顔は今までよりも一番明るかった
「今度私も先輩のとこ行ってもいいですか?」
「うん!!明日でもいいからまた話そうね♪」
「じゃあまた明日♪」
私は彼女が見えなくなるまで手を振った
「帰る?」
「うん♪」
先生は車まで行くと助手席のドアを開けてくれた
「ありがとう。」
「どういたしまして☆」
なんか少しくすぐったい気持ちになる
車は進み門をゆっくりと出た
「あ、名前聞くの忘れてた!!」
「あの子の名前?」
「うん。」
「北原茜」
「茜ちゃん?」
「そっ。」
「茜ちゃんかぁ♪」