幸せの寄り道


~和樹~


授業を先生がさぼるわけにはいかないからひとまず教室まで向かった


すると外にあるベンチに夏川と中島がいた


2人は笑いながら話していた




「あ、先生だ~♪」



田村が俺の横まで走ってきて俺が見ていた方向をみる



「まだ陽向話してるんだぁ、授業始まるのになぁ」



そう言うと田村は2人に向かって大声で呼んでいた




しばらくすると夏川が立ち上がり中島と向かいあっていた




様子を伺っていると中島は真剣な顔をしていた



夏川はきっと今困っている



そう思うと俺の足は次第に2人に近づいていった





するとやっぱり夏川は困った様子で中島に何かを言われていた





夏川の頭に手を置くと振り返って笑った


そして俺と中島の手をとって走って校舎に向かった




校舎に入ると中島は夏川に俺に用があると言って止まった




そして夏川がわかったと教室に入るのを確認してまた校舎の外に出た




「中島、どしたん?」



「先生は立場わかってますか?」



「立場って?」



「生徒と教師ですよ!?」



「何だよいきなり、そんくらいわかっとるよ」



「わかってないですよ。明らかに陽向先輩と他の人で態度違いますよね?」



「つまりは何が言いたいわけ?」



「先輩を困らせるぐらいなら最初から近づくな」





中島の真剣な声が俺の胸に突き刺さるような感じがした




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