幸せの寄り道



「先生が中途半端な接し方をするから先輩は苦しむことになる。」



「中島は俺が夏川のこと好きだっての知ったとき応援してくれるって言ってたよな?」



「言った。最初は先生を応援しようと先輩のこと見てたけど今は違う。」



「好きになったのか?」



「そう。」



中島ははっきりと言いきった



「俺とのほうが幸せになれる」



そう言われたとき俺は違うとは言えなかった



教師と生徒の境界を越えても必ず幸せになれるとは言えない



「それだけ言いたかっただけだし、俺教室戻る。」



中島は俺の返事も聞かずにそのまま走っていった




俺も教室に入り授業を始めた



だけど中島に言われたことが気になっていて黒板に書く字はいつもより乱れてしまった



後半まではなんとか終わらせ質問があるか聞くと田村が真っ先に手をあげた



その流れで夏川を準備室に呼び出すこともでき授業が終わった



あとは夏川を待つだけだ




が、放課後まで時間がまだまだある…







その間は授業のノート作りでもしとくか……






『俺の方が幸せにできる』


中島の言葉が頭から離れなかった




確かに俺は幸せにできる保証なんてない



ただ、好きなんだ




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