幸せの寄り道
気付くと窓から陽が差し込んでいた
もうこんな時間か…
そんなことを考えているとドアをノックする音が聞こえてきた
顔だけをそちらに向けて顔を確認する
俺の愛しい人
年下にこんなベタ惚れになるとはなぁ…
夏川は部屋に入るとまず言った言葉は『汚い』だった
嫌味っぽく言うのになぜか笑ってて『せっかくキレイにしたのに』と頬を膨らませて見せる
そして窓を開ける彼女の後ろ姿を見た
部屋に入る風に揺れる髪と少し香る彼女のにおいにドキッとした
彼女が今日呼んだ理由を聞いてきたので『謝りたかった』と伝えるとすっきりした顔で『きっと中島とは付き合わない』と言った
そしてここに来るように言ったのも中島らしい
俺はそれを聞いてすんなりと頭を下げることができた
夏川はそんな俺を許してくれた
こんなに優しい子を傷つけてしまうのは嫌だ
でも俺はそばにいて欲しいという気持ちを抑えることはできない
自分がこんなにもわがままとは思わなかった