幸せの寄り道



気付くと窓から陽が差し込んでいた



もうこんな時間か…





そんなことを考えているとドアをノックする音が聞こえてきた




顔だけをそちらに向けて顔を確認する





俺の愛しい人




年下にこんなベタ惚れになるとはなぁ…




夏川は部屋に入るとまず言った言葉は『汚い』だった




嫌味っぽく言うのになぜか笑ってて『せっかくキレイにしたのに』と頬を膨らませて見せる



そして窓を開ける彼女の後ろ姿を見た


部屋に入る風に揺れる髪と少し香る彼女のにおいにドキッとした




彼女が今日呼んだ理由を聞いてきたので『謝りたかった』と伝えるとすっきりした顔で『きっと中島とは付き合わない』と言った



そしてここに来るように言ったのも中島らしい




俺はそれを聞いてすんなりと頭を下げることができた



夏川はそんな俺を許してくれた



こんなに優しい子を傷つけてしまうのは嫌だ


でも俺はそばにいて欲しいという気持ちを抑えることはできない



自分がこんなにもわがままとは思わなかった









< 62 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop