幸せの寄り道
夏川はしぶしぶといったような顔をしたと思うと『2人の時は普段と違う』と言った
今まで気づかなかったけど自分の気持ち全然抑えられてなかったな…
階段を下りていく途中で女の先生に話しかけられたので挨拶だけすませてまた下りようとしたら夏川が固まっていた
どうしたのか聞いたけど何も言わなかった
そのまま靴を履き替えて車をとってくると夏川は2年の北原と話していた
声をかけて2人のそばに行き帰るように促した
そしてなんとか誤魔化そうと演技をしてみたものの、全くダメだ
おまけに夏川もダメ
北原は笑って俺たちの演技の悪さを注意してきた
その後、車の中で夏川は名前を聞き忘れたようだったので教えてあげると嬉しそうに繰り返していた
車でこの前覚えた道を進んで行くと夏川は少し驚いていた
まさか覚えているとは思ってなかったんだろう
「また送ってもらうとは思ってませんでした」
夏川は少し嬉しそうにそう言って笑っていた
「まぁ掃除のお礼ってことで☆」
そう言うと夏川は確かにっと納得してまた笑っていた
そして家の場所まで覚えていた俺を見てまた驚いたり笑ったりしている夏川を見て俺も笑っていた
~和樹・終~