幸せの寄り道



「らしいね、朝友達に聞いた」



私も小さい声で返して沙耶が止まった




近くまであの先生が来てたからだ




「夏川さん、プリントして?それとも昨日のことで頭いっぱいかしら?」




「………っえ?」




「言ったわよね、立場も考えなさいって…」




私は何も言えなかった


先生の迫力と言葉に押しつぶされそうだった



「陽向?」




しばらく固まっている私にそっと沙耶が声をかけた



「え、……あ。」




「学生は学生らしい恋愛をしなさい」




「あの、学生らしいってなんですか?」



私はつい反発してしまった



「あら、認めるのね」



「私にそんなこと言っても仕方ないのはあなたがよくわかってるんじゃないんですか?」




「まぁ、すごい言いようね。」



先生はイライラしながら睨んでくる




私も後戻りはできないから睨み返す




「ちょっと河野先生に可愛がられてるからって、車で送ってもらったりしていいのかしらね?」




先生は勝ち誇ったように言った



「昨日は遅かったから澤田先生がそうしてもらえって言ったから」




私は最初は強めに言ったもののだんだんと勢いがなくなった






「まぁいいわ、立場を考えなさい」




そう言って先生は黒板の前にある椅子に腰をかけた






「ねぇ陽向、どーゆうこと?」




沙耶が少し俯いて聞いてきた



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