幸せの寄り道



「2人は噂の通りの関係なんですか?」



「いいえ。しかし私は立場もわきまえず彼女のことを真剣に想っていました。」



「そうですか。もし改める気が無いのであれば…、」



「辞める覚悟はできています」



「まぁ、まずは夏川さんと2人で話してからにしましょう。彼女にその気がなければ諦めもつくかも知れませんし。」



「ありがとうございます。」




病院に着き倒れた時の状況をはなすと医者の先生は貧血で倒れたとき脚立の上から落ちたのだろうと言っていた



一応このまま1日だけ様子をみて意識が戻り次第検査をする事になった




「では、私はそろそろ学校へ戻らないと行けないのでご両親が来るまではみていてあげてて下さい。」



「わかりました。」




教頭はそのままタクシーで学校へ戻っていき病室には俺と夏川だけになった




「ずっと苦しかったんだな……。」




そっと頭を撫でて顔をみた




「護りたいんだ、お前を。」



返ってくるわけもないのにただそう言うしかなかった





俺はいつの間にか夏川の小さな手を握って寝ていた



夕日が病室に差し込んでオレンジに染めていた




夏川はまだ目を覚まさないのか寝る前と何も変わっていなかった




そう言えば後で澤田先生が荷物届けるって言ってたな




時計をみるともう16時になっていた





――コンコン。




「はい。」



「入りますね。」



そう言って澤田先生は荷物を置いてそばの椅子に座った






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