夏のある日
プロローグ
「お父さん止めて!!」
あたしは必死にお父さんに呼びかけた
だけどお父さんにはあたしの
声が全く届いてない
「誰のお陰で飯が食えると思ってんだ!!?あぁっ!?それなのによくも俺に文句が言えるな!!」
ガタガタガタッ
お父さんはお母さんの髪を上に強く引っ張りながらお母さんに言う
お母さんは今にも泣きそうな目をしながらお父さんに言う
「…も…文句…ってただ…夏星の…じゅ…授業…参観に…行か…な「それが文句だって言ってるんだ!!俺が毎日毎日休まずに働いてるのは誰の為だと思ってんだ!!」
お父さんはまた強くお母さんの髪を上に引っ張た
グイッ!!
「イタッ!……ッ」
あまりの強さにお母さんの頭からは血が出ていた
居てもたっても居られなくて
あたしはお父さんのほうに近寄った
あたしは生きよいよくお父さんの胸にしがみついた
「お父さん止めて!!お母さんは悪くないの!!お母さんはただ「夏星…止めなさい!!」
「…ッ」
お母さんの余りの大きな声に一瞬怯んだけどあたしは
『もうこれ以上お母さんのこんな姿見たくない!!』
という気持ちのほうが大きくて
お父さんに言いたいことを続けた
「…ッお母さんは悪くないの!!ただお母さんはあたしが小学校最後 の授業参観はお父さんと来てくれないかなぁ?って言ったの!!六年間一回も来てくれたことがないから…最後の授業参観はお父さんとって思って…」
バジッ!!
「キャッ…」
ドガッ!!
「…ウッ…」
あたしは勢いよくお父さんに頬を殴られ壁に頭をぶつけた
「夏星!!!」
お母さんは驚いた様子でこっちを見ている
「…フッ…笑わせるなたかが授業参観でなんで俺が行かなきゃならない。授業参観なんて行ったって俺になんのメリットもないじゃないか。そんなとこ行ってる暇が合ったら家でゴロゴロしてたほうがマシだ」
プチッ
心の中でプツリと何かが切れる音がした