夏のある日


そう言ってお父さんは台所に行って包丁を出してきた




そしてそれをあたしに見せて来た





「…ッ!!!!!」




あたしは驚いて体が金縛りに合ったみたいに動けなくなった




「うるさいうるさいうるさい!!!お前に俺の気持ちがわかってたまるかぁぁ!!」




ドカドカドカドカドカドカッッ!!!




お父さんは勢いよくあたしのお腹を何発も何発も蹴りを入れてきた




「夏星ッ!!!」



お母さんが必死になってお父さんの足を掴んで蹴りを止めさせようとする




ドガッ!


「ウッ!!」



お母さんは顔面を蹴られ気絶してしまった




「…ッお母さん!!」



ドガドガッ!!



「ウッ…ッ…」



お父さんはまたあたしに何発も蹴りを入れてきた




「お前に俺の気持ちが分かるか?毎日毎日雑用ばかり押し付けられて…俺はそんなことをするためにあの会社に入ったんじゃないんだぞ!!」




お父さんはしゃがんで包丁を床に突き付けながらあたしに言った




「…ッそんなの…ただの我が儘だよ…皆お父さんと同じことをやって徐々に上にあがってんだよ皆は!?お父さんのはただの我が儘にしかすぎないよ!!!」



お父さんは下唇を噛んで凄い形相で睨んで来た



「我が儘だと?俺が我が儘を言ってると?笑わせるな…お前なんか…お前なんか…死んでしまえ」




えっ?




グサッ!!!




「……ッッッッッッ!!!!!!」




背中にもの凄い痛みが走った





そこからは記憶が曖昧で血が出てるのは分かるけど……





バタバタバタッ




バンッ!!


勢いよくリビングの戸があくのが分かった




「何してるんだ!?」



「けっ警察呼べっ!!!!」



「救急車もだっ!!!」


近所の人達があたし達の騒ぎに駆け付けて部屋にやってきたのが分かった

そこからあたしの意識は途絶えた
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