サンタクロース
2章 12月31日
「結局、あの子供ブラックリストだってさ」
「あの子供って誰?」
外の雪かきを終えて帰って来たサンタは何の前触れもなくそう言った。
クリスマスが終われば、サンタの仕事は終わり、のんびりとした生活がまた一年始まる。
動きやすいのか青いつなぎを着たサンタはどう見てもサンタには見えない。ただの青年だ。
大きなスコップを玄関そばの傘立てに突っ込むと暖炉の前を陣取った。
「ほら、クリスマスに大人を殺せる銃をください、って言ってたあの子だよ。うぅ、サムっ」
「あ-…妹を守るとか言ってたあれか…」
「そうそう、で、担当ははお前じゃないかって隣のじじいが言ってたぜ」
「え?でも僕まだ…」
「あぁ、サンタは16にならなきゃ出来ねぇって決まりだ。まぁ、丁度いいしってことなんじゃねぇの?」