キミに捧げる初雪
「あたし、雪の降る日に生まれたの。この街で雪が降ることなんて、まずなくって奇跡だって。それで、パパが雪子って名付けてくれたの」



嬉しそうに、雪子が話す。



自分の名前が、とても気に入ってるようだった。



「だけど…あたしが生まれた日以来、降ったことがないんだって。雪って花びらの形なんでしょ?」



「ああ…」



雪なんて見たことがないのに、それは冷たいもので花の形をしているとわかった。



オレは、雪を知っている…?





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