空白のシンデレラ
サヨナラ
【高校デビュー】
という言葉がある。
たった今、南もその時を迎えようとしていた。
片っ端から雑誌を読みあさって、メイクやファッションの勉強をしてきたのもデビューの為。
もう過去の自分には戻りたくない。
南は誰とも被らない高校を受験した。
過去とは完全にサヨナラしたいから。
南は小学校の頃から、地味でおとなしくて、友達があまりいなかった。
数少ない友達も南と似たような感じ。
「類は友を呼ぶ」とはまさにその事。
中学に入れば何かが変わると期待していた。
でも、実際は自分自身が変わらなければ意味がない。
結局小学校の時と何ら変わりはなかった。
地味でおとなしい存在…。