孤高の天使
「君が憂いた顔をしているのはあの友人と会わせたからか?」
「え?」
表情はそのままにアメジストの瞳に小さな憎しみが浮かぶ。
自分に向けられているのではないと分かっていても、その視線に身をすくませる。
「友人だという天使から何を言われた?」
ドクンッ…―――――
心臓が大きく跳ね、目を見開く。
バレた………?
「ッ……それは…その……」
落ち着いてイヴ…聖剣のことをラファエル様が知っているわけじゃないんだから。
そう自分を沈める反面、口からは上手い言い訳が紡げない。
鋭く容赦ない視線に見つめられる中、恐々と口を開く。
「ラナとは…天界の話をしていただけです……」
そう言った私にラファエルは深い溜息を吐く。
そして―――――――
「嘘だな」
「きゃッ……」
溜息交じりに嘘だと言ったラファエルは私の身体をベッドに押し倒す。
視界が反転して紅のシーツに縫いとめられる。