孤高の天使
あれから数日が過ぎ、私は変わらぬ日々を送っていた。
あの日―――――
ラファエル様から別れを告げられた日。
双子の侍女たちとラファエル様の帰りを待ったけれど、結局戻っては来なかった。
必死に私を励まそうとする彼女たちの気遣いが辛くて…
部屋に灯りが灯り、涙が止まったのに、私の心は全く晴れなかった。
むしろ日がたつほどに酷くなる一方。
最初は「大丈夫です」「明日はきっと…」と笑顔で励ましてくれていたイリスとリリスも今や表情を曇らせて私を気遣う。
一度だけルーカスにラファエル様の居場所を聞いたことがあった。
けれど返ってきた言葉は―――
『すまない…居場所は言うなと言われているんだ』
その言葉にやっと諦めがついた。
胸が張り裂けそうなほどの痛みを代償に…
ラファエル様は私を避けているのだと。
あの言葉は本当だったのだと。