孤高の天使
アメリアの能力
「これで全部かな…?」
紙袋の中をガサガサとあさりながら買ってきたものを確認していく。
アザエルから渡された紙に書かれた品の数々は、名前を見ただけでは分からなかったけれど…
「これ何に使うんだろう…」
手に持ったのは怪しげな紫色の粉が入った小さな小瓶。
この小瓶は城下町のはぐれの、今にも店じまいをしてしまいそうな風貌の店で買ったものだった。
他にも、魔獣の角、悪魔の羽、黒い水……などなど、いったい何に使うか知れないようなものばかりが紙袋の中に入っている。
アザエル様は予言者だから、能力を助けるために必要なものなのかもしれない。
そう納得して紙袋の口を閉める。
辺りは薄暗く、夜が訪れようとしていた。
日が沈むまでには帰りたい…
「フェンリル、ちょっと急ぎましょう」
そう言うと、フェンリルは一声鳴いた後、速度を早めた。
しかし、数十分後――――――
魔界の外れから中心部にある城までは随分距離があったようで…
「日が沈んじゃったね」
人通りのない城下町の上を飛びながらぽつりと呟く。
どちらにせよ、魔界中心部はいつも夜だから関係ないんだけど…
やっぱり夜は不気味で怖い。