孤高の天使


「ッ…くっ………」


周りに立ち込めた闇が一気に濃密になる。

空気が重くて息ができない…

この肺が押しつぶされそうなほどの感覚は覚えがある。




あれはそう…

ハデス様が私に触れた時。

息苦しさを覚えるほどの闇をラファエル様が放った闇。





これはラファエル様の闇に似ている…




濃密な闇に息が出来なくて、気を失いかけそうになりながらそんなことを思う。

このまま目を閉じたら楽になれるかもしれない。

ラファエル様が必ず助けに来てくれることは信じている。

けど…もうだめかも……





「ラファ……ル…さ……」


途切れそうな意識の中、かすかな声で名を呼ぶ。



ゆっくりと目を閉じようとした瞬間。




『イヴッ』

「ッ…!」


頭の中に響いた声に遠のいた意識が覚醒する。

パッと目を開いて体を覆っていた羽から外を覗くけれどラファエル様の姿はない。



ラファエル様…どこ……?


あれは確かにラファエル様の声だった。



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