孤高の天使


『またお前なのか…神よ…』


俯いてギリッ…と口を噛みしめ、机に打ち付けた拳を握る。

肩を震わせ、低い声で怒りを露わにして口を開く。






『何度俺からイヴを奪えば気がすむ…』


怒りと悲しみが入り混じったような声。





ズキッ―――――



「いっ……」


頭が割れる様な感覚に思わず声を上げる。






『許さない…』


地を這う様な声を上げながらラファエルが顔を上げる。

その瞳は闇を思わせる漆黒に染まっていた。



ゾワ…と体を駆け巡る嫌な感覚。



いや……だめ……






『今度こそお前を闇に葬り去る』



部屋を照らしていた灯りが一瞬にして蒼の炎に変わった。





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