孤高の天使


「天界へ着いた俺たちを待っていたみたいだったよな」


うん、と同意したルルもその時の様子を口にする。




「僕たちはその聖獣にここまで連れてきてもらったんだよ」

「とても利口な聖獣なんですね」


皆がラバルを囲み、小さな頭を撫でる。

確かにラバルは天界では高等な聖獣の部類に入る。

しかしいくらラバルといえど、結界の中に閉じ込められた私の存在を捉えられるほどの力はないはず。

何故ラバルは真っ直ぐここに来れたのだろうか。




そんなことを考えていた時だった―――

グラッ―――――

大地を揺るがすような揺れが起こり、今までにこやかだった皆の表情に緊張が走る。




「これは…」

「ルシファー様だ」


口にするより先にルーカスが答えた。

その表情は悲痛の色が垣間見え、イリスやリリス、ルルも同じような表情をしていた。




「ごめんなさい…私たちじゃルシファー様を止めるばかりか近づけもしませんでした」

「悔しいが俺たちにはどうすることも出来なかった」


目を伏せて悔しさを滲ませるイリスが拳をつくってギュッと握りしめる。

落ち込むルーカスになんと声をかけて良いか分からずあぐねていると…


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