孤高の天使
いた…ッ………
ガンッガンッ…と叩かれるような鈍い痛み。
まるでこの夢に拒絶反応を見せているような。
この先を知りたくないと思う気持ちがそうさせているのかもしれない。
やめてッ!
強く念じるように叫べば、ブワッと一陣の風が吹く。
闇を吹き飛ばし目を覆うほどの光が差し込む中見えたのは…――――
ハッ……――――
額に汗を浮かべて意識が覚醒した。
涙で揺らぐ視線の先には、ベッドの天井。
シーツと同じ紅の天蓋は下ろされていた。
「あれは……」
体を起こしながら、夢の最後の情景を思い出す。
光が差し込んだその時。
あの時、確かに見えた。
一瞬だけど光に照らされたその人は……ラファエルだった。