孤高の天使
「さぁ…どうでしょう。知りたいのですか?貴方とルシファー様に何があったか。」
フッ…と意味深な笑みを浮かべ答える。
やっぱり、この人も知っているんだ。
“イヴ”とラファエルと私の関係を……
私は……知りたい。
私だけが知らない過去、記憶、関係。
何故ラファエルがそれを隠すのか。
けれど、それを知ってしまえば何かが音を立てて崩れそうで。
コワイ……―――――
そんな私の想いを察したのか、じっとこちらを見ていたアザエルがククッと喉の奥で笑う。
「知っていたとしても言えませんがね。私はまだ死にたくありませんから。」
思わず胸を撫で下ろす。
知りたかったはずなのに、アザエルがそういったことに心のどこかでほっとしていた。
高まっていた胸の動悸を抑えるように息を整えていると…
「まだ時期じゃない。」
「え?」
小さく聞こえた低い声に顔を上げる。
しかし、そこには今までいた人の姿はない。
蒼かった炎も赤いものへと変わっていた。
「アザエル…様……?」
恐る恐るベッドから出て部屋を見渡すが、やはり誰もいない。