孤高の天使
それをラナが私に届けた意味って……
ッ………!!
「まさか……」
思い当たった考えに目を見開きゴクリと喉を鳴らす。
私の緊張を読み取ったラナは硬い表情のまま口を開く。
「それで魔王を滅するの。」
「ッ……そんな……」
ドクンッ…ドクン…と心臓が鳴る。
いくら魔王と言えどこの聖剣で傷つけられれば無事ではいられない。
聖剣で悪魔を傷つけるのも躊躇われるけど。
ラファエル様をこの聖剣で滅することなんて私に出来るの?
「これしか方法はないわ。貴方と天界…ひいては全世界のためよ。」
それはそうだけど……
ラナの言い分も分かるけど……
「わたし……」
言いかけたところでコンコンッと扉を叩く音。
「イヴ、聖剣をしまって。」
焦ったラナの声に慌てて聖剣を布でくるみ、ドレスの長い袖の陰に隠した。
「そろそろ面会時間終了だ。」
扉の外からルーカスが声を上げる。