誰にもナイショ♪ヒミツな関係
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「じゃあね梨乃」
「ん…ばいばい」
1日授業を受けてやってきた放課後。
帰る用意をしている時、男子と楽しそうに話してる高崎くんの姿が視界に入った。
…その時、一瞬だけ目があったような気がしたけど、きっと気のせいだと思う。
声をかけてきた真紀と教室を出て一緒に帰るのは、いつもどおりの私の日常。
住宅街を曲がっていった真紀を見送って、私はそのまま前に歩きだした。
いつもどおりの帰り道。
だけど……。
ふと頭の中に、朝…真紀が言っていたことが浮かんだ。
『恋とかしてないの?』
「……恋、かぁ」
ぼそっと呟きながら改めて考えてみるけど、誰かに恋なんてしていない。
普通は好きな人がいてもいいんだろうけど私にはいないし。
それに。
小さいころの初恋以来…誰かを好きになったことないかも……。