君のトナリ
春斗と私の関係が、ペンを盗る盗られるの関係から発展しないまま梅雨の季節がやってきた。

あれからノリは時々「どう?」なんて私に恋の進行状況をたずねてくるけど、話すことも特になく…

美香には正直に自分の気持ちを話していた。

「やっと気付いたね。」

美香はそうやって静かにほほ笑んでくれた。


部活が休みの木曜日。

バスケ部のみんなで下校していると、理子が声をかけてきた。

「あい、一緒に帰ろう。」

私は少し胸騒ぎを感じながら、いいよと答えてバスケ部4人と私、理子の7人で下校することになった。

里子もバスケ部だけど、今日は風邪で休んでいた。

と、なると…

小学校が違う美香や他のバスケ部のみんなとは途中から別れることになる。

そうなると理子と私の2人きり…

理子と春斗が付き合っていたことを美香には話していたから、少し心配そうに私の顔を見る美香に、私は大丈夫と笑顔を送った。



美香たちと手を振って別れると、理子と2人、無言のまま帰っていた。

なんか話しなくちゃ、と思っていても1組の理子とは共通の話題がすぐには浮かばない。

橋の中央付近まで来ると、理子が話を振ってきた。

「あい、好きな人できた?」
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