君のトナリ

いきなり右肩をつかまれて私は振り返ってしまった。

泣いていることがバレないように涙を拭くことをしていなかった私は、振り向いた瞬間ヤバいと思って慌てて涙を拭いた。

だって肩を掴んだのは春斗だったから。

「何で泣いてんの?てか部活は?」

サッカー部の春斗。

部活の服は正式なユニフォームとはまた違ったかっこよさがある。

春斗が私を引き止めたことにびっくりしながら、春斗のかっこよさに見とれている私。

泣いていたことなんか忘れて。

「体調悪いんか?」

少し心配そうに話しかけてくる春斗。

それだけで私の心臓はキュンキュンして、ドキドキしている。

「別に…」

可愛くない返事。

分かっているのに素直になれない自分が悔しい。

「じゃ何で泣いてんの?」

そんなの言えるわけない。

春斗に彼女ができたかもしれないって不安になったからなんて、絶対言えない。

でも、口をついて出でしまった。

「2年生の女の子、何て?」
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