君のトナリ
美香はあの事件以来、ずっと私のそばにいてくれる。

本当にありがたい。

美香の存在は私にとってすごく大きい。

「美香、部活行こう。今日って先生は会議で遅れるって言ってたよね?」

できるだけ元気に言ったつもりだったけど美香はするどい。

「うん。…てか行っておいでよ。確かサッカー部は今日部活ないよ。春斗が帰っちゃう前に話しておいで。私は部室で待ってるから!!」

そう言って私の肩をポンと叩いた美香。

泣ける。

美香って本当に私が欲しい言葉を絶妙なタイミングでくれるんだ。

そうだよね。伝えるには今日しかない。

明日からは長い長い夏休み。

「ありがとう、美香。私行ってくる!!」

美香にそう言うと教室を飛び出した。

春斗に伝えよう。

私の素直な気持ち。

******************

この時、春斗にフラれることよりも、自分の気持ちを伝えられないことの方が怖かった。

だからね、春斗は困るかもしれないって思っていたけど、素直な気持ちを言いたかったんだ。
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