君のトナリ
私の親はかなり厳しく携帯は持たせてもらえない。

お小遣いもあってないようなもの。

それに比べて春斗は携帯だってあるし、男兄弟だからかなり緩いらしい。

「電話したいな。」

独り言のように呟いた私に美香がすかさず頭を叩いた。

「したいな,じゃなくてするの!!」

いつもおっとりで少しドジな美香。

その美香が強めの口調でそう言った。

「今日帰ったら電話しなよっ!!携帯の番号知ってるんでしょ?」

「うん…でも……」

「でも、何?」

「直接春斗から番号聞いたわけじゃないからかけたら迷惑かも。」

「はぁ〜。」

美香のわざとらしい大きなため息が響いた。
< 31 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop