先生の隣

そして今日も1人。

俺の目の前に真っ赤な顔して俯きながら立っている女子生徒。

確か名前は……山中 瞳。

俺は3年担当だが、こいつは2年のはず。

「どうした?勉強教えてほしいのか?」

なんとなく雰囲気から話題を変える俺。

…わざとらしいよな。

可愛い生徒を傷つけたくないんだ。

それなら告白されるより先生と生徒として仲良くしたい。

「先生…私、2年なんですけど…知ってますか?」

「知ってるよ!!山中だろ?2年の考査で数学1位とった奴だろ?お前すげぇーな!」

おい…俺が明るくしてるんだから…

その泣きそうな顔はやめてくれ。

「あ、知ってたんですね(笑)でも1位は潤…長谷川もですよ!」

長谷川 潤…?

あぁ、あいつか。

あのお喋り…おっとまた怒られる。

 
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