先生の隣
私たちの教科は3階。
食堂は1階にあるから階段を上っていた。
2階を通過したとき…
廊下の向こうから歩いてくるのは……桐原先生。
ポンッ
「先に行っといて!!私、トイレに行ってくるから」
瞳の背中を押して階段を上らせる。
そして私は…
ダダダダダダダダッ
「廊下を走ってはいけません」
ハァハァと息をはきながら見上げると
そこには私を見下ろす桐原先生。
「桐原…先生…」
「お喋りさん…じゃなくて長谷川潤でしたね。何か用ですか?」
ムムッ
あんたのせいで瞳が泣いとんじゃあ!!!!
なにが何か用ですか?じゃ、あほーっ!!!!
…と、心の中で叫びつつ先生を睨み上げた。