先生の隣
打って変わって微笑む桐原先生。
ドキッと胸がひとつ高鳴った。
「先生…朝…」
そこまでしか言えなかった。
「朝?…あぁ…もしかして中山ですか?」
わかっとんのかい!!!!
「瞳…泣いてました。先生が泣か…「長谷川さん」
私の話しを遮って先生は真っ直ぐ私を見た。
その瞳には優しさがなく、冷たく哀れんでいるような目だった。
「よく考えて下さい。俺と山中は先生と生徒です。もし特別な感情があったとしても、付き合ったり出来ません。…まぁ元より感情はありませんが」
「……」
私は言い返す言葉がなかった。
「みんな生徒は可愛いです。1人だけを特別視はしません。それ以上以下でもありません」
桐原先生…なんかよく喋るな。
何回かしか話したことはないけれど。