Magic Rose-紅い薔薇の少女-
第一章‐東と西

   ―第一章‐東と西―

東に位置する国、『ベリアザ国』
その国の首都アイラビアの外れの森の入ってすぐのところに、

フェイバリー夫妻が住んでいた。

「ローズ……なんて美しい子なの?
親ばかでもいいわ。
艶やかな金髪に白い肌、そしてこの透き通るような赤い瞳!」

「全くランティスは」

「あなたもそう言いつつ可愛くて仕方がない癖に」

その夫妻には、“ローズ”と言う娘がいた。


愛をもらいすくすくといい子に育ったローズ。
しかしローズが大きくなるにつれ、母の愛がだんだんと薄れていった。

「もういやんなるわ」

「ランティス、やめなさい」

「あなた!市場に言ったらばかにされたのよ?
『お宅の娘さん、赤い瞳なんですって?変わり者にぴったりの娘さんね』って!」

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