Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「わたし……かんがえたけど、やっぱりわからなくて……ごめんなさい」

「夜は危険だ。闇に紛れ、魔物が近づき、夜の静けさから匂いをよく嗅ぎとる。」

シュンとするローズに男は
危ないから
と、ぶっきらぼうに付け加えた。

「お前は、わかってるのか?」

「え?」

「逃げることの本当の意味を」

「本当の、意味……?」

本当の意味
その言葉にシュンとしてうなだれていたローズは顔を上げた。

そのキョトンとした様子のローズを見て男は
フッ
と笑った。

「やはりな」

まるで、ローズの考えを見透かしていたかのような言い方。

「お前が逃げれば罪になる。
すると易々と逃がしてしまった母も同罪。
即ちお前たちは命が狙われてもおかしくはない。
そうだな、簡単に言えば……」

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