Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「フィルだよー」
フィルが呼び掛けると、直ぐに家から女の子が出てきた。
「フィル」
「おはな、つんできたんだ!」
フィルの顔、赤い。
「わぁ、かわいいっ……え?くれるの?」
フィルは照れながら女の子に花を渡した。
「エヘヘッ」
嬉しそうに笑う女の子にフィルはときめいたみたい。
そんなフィルに私もときめいたみたい。
「フィル、おうちのほうはへいき?」
話題は重い方へ……
「へいきなもんかっ!
あ、ねぇ……いもうとがうまれたってほんと!?」
フィルは家が嫌いなのかな?
「うんっ、すごくきれいなこなの!
でも、6つもはなれてるから……」
暗い表情を浮かべる女の子。
「じゃあねっ、きょうはおるすばんだから
いもうとみてないと!」
女の子は笑顔に戻った。
「また、あいにくるねっ!」
フィルは女の子と別れ、私の方に駆けてきた。
「おねいちゃんっ」
え……?
フィルが、消えた?