Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「わがまま言ったってかわらないよ……
何も…………。」

フィルも辛そう。

「じゃあ、フィル……やくそくして?
わたしのところに、いつの日かちゃんときて?
まってるから!
わすれないで……?」

今度はフィルが泣く番だった。

「わすれるわけないじゃないか!」

女の子は消えて行く……

「だいすきだから……」

女の子はそう言い残し完全に消えた。

「いつもキミはそうやって消えるんだ。
もう二度ともどってこない……
ごめんね……」

こんなに小さな体に、フィルはいったいどれぐらい大きな、重いものを背負ってるのかな?

「フィル……」

「おね、いちゃ……
……あの子ね、一年まえ、おねいちゃんがきた、その次の日に死んじゃったの」

「死、うそ……」

そんなのって……。

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