Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ほんとだよ……でもきょうでもう、ほんかくてきに会えなくなっちゃったけどね」
泣きながら笑うフィルに、今にも消えてしまいそうな儚さを感じ取った。
気がついたら私、フィルを抱き締めてた。
こんなに小さな子にこんな重いモノを背負わせて……
「おねいちゃん……ごめん、ボク帰らなきゃ」
スッとフィルは私から離れて帰っていってしまった。
私がさっき会ってから少し経ってる。
一年前、確かにそうフィルは言った。
一年も、時間が……?
「あの……」
考え込んでいた私の目の前に、あの女の子が現れた。
天使の羽が、生えてる。
「フィルに伝えて?
………………ごめんね」
それだけ言うと女の子は消えた。
彼女の想いが一瞬で伝わった。
彼女がどれだけ、フィルを想っていたか……全て、全て。
進まなきゃ、はやく、はやく……。