Magic Rose-紅い薔薇の少女-
宛もなく、進む。
先の見えない、まるで私のような一本道。
周りは何もない。
「よぉ、姉ちゃん」
え?人……?
「顔色わりぃな、どっから来たぁ」
「も、森です」
「森だって!?そりゃすげぇな!」
自分じゃ気付かなかったけど、森からここまでそうとうな距離があったらしい。
「だけどよぉ、姉ちゃんの足じゃ着くまでに日が暮れちまう」
まるで、見透かしているかのように……。
「目的地、わかるんですか?」
私にもわからないのに?
「いンや、ただ、此処を通るの理由は一つしかねぇからなぁ…………東の城だ」
東!?
「馬を貸してやろう」
男は小屋をバンッと開くと、中で何か言っていた。
「馬以外は……あ、いや、うー
こいつかな、おっと待てよ?」