Magic Rose-紅い薔薇の少女-
男は何か思い立ったようで顔をヒョコッと出した。
「姉ちゃん?」
「は、はい!」
何も言わず、ただ私を見た。
いや、観察か……。
しばらくして、フイッと小屋に戻った。
「おい、こい」
「私!?」
「いンや姉ちゃんじゃねぇ……お、よしよしいい子だ」
そうして出てきたのは、
黒い狐だった。
尻尾が三つ。
って、いうか、何かしら……大きい。
狐は私にお辞儀をした。
「時間(とき)の番人に支えし魔物だ」
ときの、ばんにん?
何を、言ってるの?
番人って?トキって時間?
時間の番ってこと?
「初めまして番人様
私の背中にお乗りください」
狐はそう言って、私が乗りやすいように体を低くした。
「し、失礼します……」