Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「そうなの……あ!私ったらもう……」
「何かございました?」
「貴女の名前を聞いていなかったわ」
名前を知らないんじゃ呼べないし……
「私は……名乗るほどではありませんので
“狐”とお呼び下さい」
名乗るほどでもない名前なんて、あるの?
「あ、大変……日暮!」
「きゃっ!」
狐はいきなり走り出した。
日が暮れ始めている。
何かあるの?
「番人様!しっかりつかまっていて下さい!」
「ど、何処にって……きゃあぁぁぁぁ!!」
そうして私は意識を手放した。
そう、つまり私は気絶したのだ。
あまりの速さやらなんやらで……
なんだかカッコ悪いけど、
実際アレを体験すれば遊園地の絶叫マシンなんて比じゃないことがわかる筈。