Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「そんな棘ごときで……」
「散れ」
「す、ストップ!!」
ストップ……?
「ま、待って下さらない事?
良いことを教えて差し上げるからっ!」
良いこと……?
でも、所詮相手は敵……。
「忘れないで、此処は“あの子”の記憶の世界……。
それでは」
彼女は姿を消した。
逃げられた……私としたことが!
『サラ様の名に懸けてな!』
『“あの子”の記憶の世界』
あの子?サラ様?
サラ?
サラ?
サラ!?
あのサラが?何で!?
信じられないわ?
「番人様?」
「あ、ごめんなさいっ……」
ヒラッと狐に飛び乗る。
「もし、このままなら、私が何もしなければ、どうなるの?」
「このままですと……この世界は滅びてしまいます」
そんなっ……
「なんて言うこと……こんなに、辛く悲しい事は無いわ……」